藤原鷹通、なかなか面白い男だ。
鬼の肩を持つような言い方に聞こえただろうに。
感情的にならなかったことといい、あの切り返しの速さといい、ただ頭の固いだけの男ではないようだね。
それに、冷静な風を装ってはいるが、かなり情熱的な性質だろう。
八葉も暑苦しいのが集まっているから・・・ おっと神子殿もね、というか神子殿を筆頭に、とでも言おうか。
そんな中だからこそ、私はしばし離れたところから見物といこうか。
しばし、と言いつつ最後までかもしれないが・・・・・・。
鷹通には内裏の、泰明には陰陽師の書庫を中心に、龍神の神子の怨霊封印についての記述がないか当たってもらっていたが、「時がくれば穢れを封じる術を身に付けることができる」ということ以外は、相変わらず謎に包まれたままだ。
あかね「そんなに焦らなくても、いつかは使えるようになるってことですよね?
詩紋「でもそれがずーっと・・・・・・ 何年も先だったらどうするの?」
泰明「いや、記述が何も残っていないとなると、試行錯誤していた期間は短いとみていいだろう」
鷹通「それよりもこの、時 というのが気になります。時間的なものなのか、それとも別の何かを指しているのかが分からなければ。もしも何かの条件が必要であったなら、その条件がわからなければ封印の力を手にする糸口は掴めないでしょう」
イノリ「あ? なんだって?」
天馬「イベントをクリアしねーと技が使えねーんじゃねーのってことだろ?」
詩紋「天馬先輩、それじゃ余計に分からないよ」
イノリ「・・・・・・弁当食いやしねーと技が使えねーって・・・。メシをいっぱい食えってことか!」
詩紋「ち、違うんだよイノリくん!」
イノリ「あかねー、メシを食え!」
天馬「いいからお前は黙ってろ!」
イノリ「うぎー なんだよー」
天馬「後で説明してやっから」
天馬に押さえつけられたイノリは、渋々だがおとなしく座りなおした。
永泉「・・・・・・あの、おそらく、ですが。神子の為のお力ですから、神子が願えば封印ができるというこのなのではないでしょうか」