「・・・・・・頼久・・・・・・」
と名を呼んで、顔を覆う指を咥える。
「―――っ」
それを振り解けない頼久は、すぐ目の前に友雅の顔があるのに耐えられなくて、再び逆に顔を背ける。
眉間に皺を寄せた頼久の顔は、月明かりの下でも分かるほどに紅潮していた。
手の中の薄い布越しの猛りも熱を帯びて、くっきりと先端の形までも浮き上がらせている。
「いいものを持っているじゃないか」
最後の一枚の下に手を滑り込ませて、その張り詰めたものを取り出すと、同時に友雅は下へと移動した。
「っ・・・・・・!」
先端から布へと伸びる透明な糸が切れて、先端の切れ込みが僅かな月の光にキラキラと光っている。
友雅はその先端を一気に口に含み、先端の切れ込みを舐めとる。括れに沿って舌を這わせて、筋の一つ一つを確かめるように丁寧に深く咥え込んでいく。
「あっ・・・く・・・・・・うっ・・・」
背をびくんと反らせて声を上げた頼久の胸に、友雅の指が這って指先で突起を転がす。
「・・・・・・っ」
深く咥えた頼久を、手の動きと共にゆっくりと吸い上げると、先端からじわりと熱いものが友雅の口の中に広がった。
「あぁっ・・・・・・っ」
再び深く咥えると、音を立てながら激しく吸い上げる。
「ふっ・・・・・・う・・・っ」
もう声を抑えようと思っても押さえきれずに唇から漏れてきて、それを手で覆ってもほとんど意味をなさなかった。
「・・・・・・っん」
腰を浮かせた頼久の先端をきつく吸い上げながら根元から一気に扱き上げる。
「くっ・・・・・・あぁっ・・・・・・っ!」
「っ・・・・・・」
口いっぱいに苦味が広がって、熱い先端がひくひくと、最後まで搾り出す。
まだ敏感なそれを友雅の舌が綺麗に舐め取り、恍惚な表情の頼久を見つめた。
「は・・・・・・っ・・・・・・」
よほど良かったのか頼久は空を見つめたまま浅い息を繰り返し、今しがた綺麗に舐めとった彼も、一向に熱が冷める気配が無いことに友雅は気づく。
「・・・・・・・・・」
友雅は自分の腰の帯に手をかけると、慣れた手つきで一物を取り出し、それをまだ熱い頼久の上に重ねた。
「・・・・・・っ」
頼久はぴくりを反応したが、敏感になっているところに更に追い討ちをかけられて、抗う術が無い。
「っ・・・・・・頼久・・・!」
二つを重ねて握る友雅が腰を送り、切羽詰った甘い吐息で呼ぶ。
互いの先端から蜜が溢れて、互いを濡らしていく。
友雅のはだけた胸が、頼久の胸と合わさり、吐息も混ざり合う。
「くっ・・・う・・・」
「・・・・・・っ・・・ん」
同時にその切っ先から放たれて、上下する頼久の腹部に零れ落ちた。
翌朝
「やあ、おはよう神子殿」
「おはようございます。友雅さん」
物忌みだという神子のもとへ訪ねた友雅は、何気なく庭に頼久が居るのを確認した。
今のところ別段いつもと変わった様子も無いようだ。
「昨日、頼久さんとお酒飲んだんですね」
部屋に入るや否や、座る前にそんなことを言い出す神子。
「あぁ、使いの間だったのに、引き止めてしまってすまなかったね」
僅かな時間なのに手厳しい姫君だ。と思っていると、
「え?いいんですよ」
神子は目を丸くして、胸の前で手を振る。
「なんか頼久さん。楽しいこととか遊びとか知らなそうだから、友雅さん 大人の人がするような遊びを頼久さんに教えてあげてください」
神子は満面の笑みを友雅に向けている。
「鷹通の次は頼久かい?頭の固い者ばかり揃えられてもねぇ。まぁ楽しいことを知らない人生もつまらないだろうから、気が向いたらね」
まさか神子殿が昨日のことを知っているとは思えないが、際どい言い回しをしてくるものだ。
「じゃぁまたお使いに行ってもらいますね」
「できれば夜がいいね。夜のほうが楽しいことがたくさんあるのだから」
また夜の相手をしてやってくれと、お前の君主から頼まれてしまったよ。
頼久
今度はもっと楽しいことをしようか・・・・・・